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なぜ慢性痛は起きるのか詳しく解説(2)

  • 2026年06月01日
  • カテゴリー:未分類

なぜ慢性痛は起きるのか?【第2部】

第1部では、慢性痛が単なる筋肉や関節の問題ではなく、 脳や神経系が関与する現象であることを解説しました。

第2部ではさらに踏み込み、 慢性痛の背景にある自律神経、エネルギー代謝、運動、栄養、 そして近年注目されている疼痛科学について詳しく解説していきます。

第1章 自律神経と慢性痛の深い関係

慢性痛患者の多くに共通してみられる特徴があります。

  • 眠りが浅い
  • 疲れが取れない
  • 常に身体が緊張している
  • ストレスに弱い
  • リラックスできない

これらの背景には自律神経の乱れが存在しています。

自律神経は大きく分けると 交感神経と副交感神経に分類されます。

交感神経

戦うための神経です。

  • 心拍数上昇
  • 血圧上昇
  • 筋緊張増加
  • 呼吸数増加

危険から身を守るために働きます。

副交感神経

回復のための神経です。

  • 消化促進
  • 睡眠の質向上
  • 組織修復
  • 免疫機能向上

慢性痛患者では交感神経優位が長期間続いていることが少なくありません。

つまり身体が常に「非常事態モード」になっているのです。

第2章 なぜ筋肉は硬くなり続けるのか?

筋肉が硬くなる原因は単純ではありません。

多くの人は 「筋肉を使いすぎたから」 と考えます。

もちろんそれも一因です。

しかし慢性痛患者の場合、 脳が身体を守ろうとして無意識に筋肉を緊張させ続けていることがあります。

痛み ↓ 防御的収縮 ↓ 血流低下 ↓ 疲労蓄積 ↓ さらに痛み

という悪循環が形成されます。

この状態では単純に筋肉をほぐしても根本解決にはなりません。

第3章 解糖系と有酸素系

近年の慢性痛研究では、 エネルギー代謝の重要性が注目されています。

身体はATPというエネルギーを使って活動しています。

ATPを作る方法は大きく2種類あります。

解糖系

素早くATPを作れます。

ただし効率は悪く、 疲労しやすい特徴があります。

  • 短距離走
  • ジャンプ
  • 全力運動

などで利用されます。

有酸素系

ATPを大量に作れます。

効率が高く疲れにくい特徴があります。

  • 歩行
  • 姿勢維持
  • 日常生活動作

で利用されます。

本来、姿勢維持は有酸素系が担当します。

しかし慢性痛患者では交感神経優位により、 身体が常に危険を感じています。

すると解糖系優位になり、 本来は瞬発的な動作で使う速筋線維が姿勢保持に動員されます。

これが 「常に力が入っている」 「脱力できない」 という状態につながります。

第4章 ミトコンドリアとATP不足

ATP工場とも呼ばれるのがミトコンドリアです。

慢性痛患者では ミトコンドリア機能低下が指摘されることがあります。

ミトコンドリア機能が低下すると、

  • 疲れやすい
  • 回復が遅い
  • 筋緊張が取れない
  • 脳が疲れやすい

といった状態になります。

つまり慢性痛は 「エネルギー不足の身体」 とも言えるのです。

第5章 Fear Avoidance Model(恐怖回避モデル)

慢性痛研究で非常に有名な理論です。

人は痛みを経験すると、 再び痛くなることを恐れるようになります。

すると、

痛み ↓ 不安 ↓ 動かない ↓ 筋力低下 ↓ 体力低下 ↓ さらに痛み

という悪循環に入ります。

これを恐怖回避モデルと呼びます。

実際には動いても問題ない状態なのに、 脳が危険と判断し続けているのです。

第6章 ノシーボ効果とは何か?

プラセボ効果という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

良いと思い込むことで症状が改善する現象です。

その逆がノシーボ効果です。

  • もう治らない
  • ヘルニアだから一生痛い
  • 年齢のせいだから仕方ない

こうした情報は脳に危険信号を送り続けます。

その結果、 ON細胞が活性化し、 痛みが長引くことがあります。

第7章 なぜ運動療法が必要なのか?

慢性痛患者では運動が重要です。

しかし目的は筋肉を鍛えることだけではありません。

  • 血流改善
  • ミトコンドリア増加
  • 神経系再教育
  • OFF細胞活性化
  • 自律神経改善

こうした効果が期待できます。

特に初期段階では、 高強度トレーニングよりも 低負荷の有酸素運動が重要になります。

第8章 慢性痛と栄養学

痛みは神経の問題でもあります。

つまり神経の材料が必要です。

たんぱく質

筋肉や神経の材料になります。

酸素運搬に必須です。

不足するとミトコンドリア機能が低下します。

ビタミンB群

ATP産生に重要です。

マグネシウム

神経の興奮を抑える働きがあります。

不足すると筋緊張や疲労感につながります。

第9章 徒手療法の本当の役割

徒手療法は筋肉を押しているだけではありません。

心地よい刺激を通じて、 脳へ安全な情報を送っています。

その結果、

  • OFF細胞活性化
  • 下行性疼痛抑制系活性化
  • 筋緊張低下
  • 血流改善
  • 安心感の獲得

が期待されます。

つまり徒手療法は、 身体が本来持つ回復システムを働かせるための手段なのです。

まとめ

慢性痛は単なる筋肉や関節の問題ではありません。

脳、神経、自律神経、代謝、栄養、睡眠、運動、心理状態など、 多くの要素が関与する複雑な現象です。

だからこそ、 一つの原因だけを追いかけるのではなく、 身体全体を見ていくことが重要になります。

ほしのうみ整骨院では、 痛みの出ている場所だけではなく、 脳・神経・筋肉・自律神経・生活習慣まで含めて評価し、 患者様が本来持っている回復力を最大限に引き出すことを目指しています。

慢性痛は「治らないもの」ではありません。 身体の仕組みを理解し、 正しい方向からアプローチすることで、 痛みの悪循環から抜け出すことは十分可能なのです。

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